急須胴体のロクロ仕上げ

ロクロと聞くと、粘土を回転させながら成形する様子を思い浮かべるのではないでしょうか?

もちろん手引き成形ではそうなんですが、
宇幸窯では泥しょう鋳込み成形で生地を成形するので、成形工程ではロクロは使用しません。

下の写真は、急須胴体の表面仕上げを行っているところです。



ロクロ上の仕上げ台に急須胴体を伏せ、回転させながら表面を仕上げます。

泥しょう鋳込み成形の生地の表面は、そのままでは石膏型の表面の凹凸が残っているので、
カンナへらを使って、急須表面を滑らかに仕上げます。

見えにくいですけど、下半分はすでに表面仕上げを終えて、
現在はカンナを使って急須の高台部分(裏底)を仕上げているところです。


急須手口取付け【製造工程】

 今回は、急須の胴体に手口を取り付ける作業を簡単に紹介します。
 急須の胴体と手口は乾燥前で適度に柔軟性があるので、このような成形作業が可能になります。

1.コンパス状の道具で急須の胴体に丸い穴をあけます。



※急須の胴体は前工程のロクロ作業で表面を磨いてあります。


2.急須の口に泥ノタ(生地と同じ液状粘土)を筆で塗ってから、先ほどの胴体の穴に接合します。



3.“とんとん”と軽くたたいて急須の口と胴体をなじませます。



4.急須の持ち手も同様にして取り付けます。



この後、胴体と手口の接合部をヘラで撫ぜて、密着させるのと同時に見栄えを良くします。


光るどろだんご全国大会にて

先週の日曜日のことですけど…
妻と愛犬クッキーの散歩を兼ねて、常滑のINAXライブミュージアムに行ってきました。

クッキーに引かれて土・どろんこ館の前まで行くと、なにやら見慣れたキャラクターが?



あれはセントレア(中部国際空港)のメインキャラクターなぞの旅人 フーじゃないですか!?

「何でここにいるんだろう?」と思いながら近づくと、中にはたくさんの親子連れが…

中には光るどろだんご全国大会2011と書かれた横幕が掲げられていました。

どうやら、全国から人が集まっているようです。

好奇心で窓際から中を見学していると、こちらの愛犬クッキーに気づいた子ども達が次々に出てきて

かわいいい〜と言いながらなでなでしてくれました。

以下会話形式で

僕:中に入っていなくていいの?

女の子:まだ準備中だからいいの〜

そのうちに小さな子連れのお父さんも近くに来てくれたので、

僕:どちらから見えたんですか?

お父さん:仙台から来ました

僕:仙台ですか!……大震災で大変でしたね

お父さん:実家は流されちゃったけど、もう大丈夫ですよ〜

と明るく話してくれました。

なんだかこちらが逆に勇気と希望をもらっちゃいました。


ボールミル原料調合【製土作業】

常滑焼急須や湯呑みの鋳込み成形に必要な液状粘土の製造作業を紹介します。

これはボールミルと言って、焼物の原料の粘土や長石と水を微粉砕しながら調合する機械です。



 
ボールミル内側には石の板が全面に張ってあり、こぶし大の玉石が入れてあります。



 
下のように計量済みの粘土や長石等を… 大きなじょうごを使ってミル内に投入します。



 
水を加えて約15時間ほど回転させてから、約300キロの鋳込み用粘土ができました。   
篩を通して異物を取り除きます。



 
今回製造した鋳込み用粘土には弁柄を混ぜていないので、朱泥色をしていません
この鋳込み用粘土で成形した急須などを焼成すると、うっすらと黄みを帯びた白色になります。


伊賀・信楽方面鉱山視察

 
とこなめ焼協同組合主催の伊賀・信楽方面鉱山視察に行ってきました。

組合の役員を中心とした希望者15名が参加しましたが、
常滑焼をこよなく愛する人たちばかりなので、とても熱心に視察を行いました。

【伊賀:三光鉱山さま】 採掘場



陶器の元になる粘土の採掘場です。
7ヘクタールの広さがあるそうですが、3割程度しか使われていないそうです。
以前は伊賀に30数社あった鉱山も、現在では最後の1社になってしまったそうで寂しい限りです。

【伊賀:三光鉱山さま】 製土工場



代表的な製品には伊賀木節や堂仙傍粉末がありますが、
需要の低迷で、この日は稼動している機械はありませんでした。


【伊賀:永谷園さま】 「かまどさん」で有名な永谷園さんです。



売店軒先で売られていた土鍋
店内では大小様々な土鍋が売られていました。


【伊賀:永谷園さま】 作業風景



【伊賀:永谷園さま】 旧登り窯



昭和40年代まで使われていた登り窯で、
16の部屋全てを焚き上げまでには15日から20日を要したそうです。


【信楽:丸元製陶さま】



陶器でできた大小様々な浴槽が展示販売されていました。


伊賀・信楽方面鉱山視察を終えて。

常滑焼が深くかかわっている粘土の採掘・製造現場の現状が何となく理解できました。
また、同じ焼物に携わる他産地の方々の焼物に対する取り組み姿勢は大変参考になりました。
1日であちこちを回るハードなスケジュールでしたが、組合員の親睦も深まる良い視察旅行でした。


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