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急須手口取付け【製造工程】

 今回は、急須の胴体に手口を取り付ける作業を簡単に紹介します。
 急須の胴体と手口は乾燥前で適度に柔軟性があるので、このような成形作業が可能になります。

1.コンパス状の道具で急須の胴体に丸い穴をあけます。



※急須の胴体は前工程のロクロ作業で表面を磨いてあります。


2.急須の口に泥ノタ(生地と同じ液状粘土)を筆で塗ってから、先ほどの胴体の穴に接合します。



3.“とんとん”と軽くたたいて急須の口と胴体をなじませます。



4.急須の持ち手も同様にして取り付けます。



この後、胴体と手口の接合部をヘラで撫ぜて、密着させるのと同時に見栄えを良くします。


ボールミル原料調合【製土作業】

常滑焼急須や湯呑みの鋳込み成形に必要な液状粘土の製造作業を紹介します。

これはボールミルと言って、焼物の原料の粘土や長石と水を微粉砕しながら調合する機械です。



 
ボールミル内側には石の板が全面に張ってあり、こぶし大の玉石が入れてあります。



 
下のように計量済みの粘土や長石等を… 大きなじょうごを使ってミル内に投入します。



 
水を加えて約15時間ほど回転させてから、約300キロの鋳込み用粘土ができました。   
篩を通して異物を取り除きます。



 
今回製造した鋳込み用粘土には弁柄を混ぜていないので、朱泥色をしていません
この鋳込み用粘土で成形した急須などを焼成すると、うっすらと黄みを帯びた白色になります。


粘土粉砕作業【製土作業】


これはクラッシャーと言って、大きな粘土を小さく砕く粉砕機械です。
急須や湯呑みの原料を作る製土作業で一番最初の工程に使います。

粘土の板を上から投入すると、クラッシャー内部の羽で砕いて下に落とす構造になっています。



 
真上からです。
乾燥させた粘土をクラッシャーの上から放り込みますと。



 
中では鉄の羽が回転していて、粘土を次々と砕いていきます。

この鉄の羽に手を挟まれたら大変な事になります!!




この機械を導入する前は手作業(ハンマー)で砕いていたので、腱鞘炎になったりして大変でした。



 
砕かれた粘土は次の製土作業 『ボールミルによる原料調合』 に進みます。



朱泥急須の鋳込み成形【製造工程】

 
宇幸窯では急須や湯呑みを『泥漿鋳込み成形』と呼ぶ方法で成形しています。
泥漿鋳込み成形』とは、泥漿(でいしょう)を石膏型に流し込んで成形する方法です。

泥漿とは何かと言いますと、粘土に長石、水、珪酸ソーダ等をまぜた液状の粘土の事を言い、
これに弁柄(酸化鉄)が混ざった朱色の原料を常滑焼業界では朱泥ノタと呼んでいます。
以後、泥漿の事を朱泥ノタと呼んで説明します。

1.攪拌機で朱泥ノタをかき混ぜてドロドロの液状にします。



泥漿鋳込み成形はさらに排泥鋳込み成形圧力鋳込み成形に大きく分けられます。
 
今回は排泥鋳込み成形で急須の胴体を成形する方法を紹介します。

2.液状の朱泥ノタを急須胴体用の石膏型に流し込みます。



 
朱泥ノタは石膏型に水分を吸収され、石膏型との接地面から徐々に固まっていきます。

3.約20分経過したら石膏型を逆さまにして、まだ液状の朱泥ノタを排出します。(排泥)



 
さらに時間を置いて石膏型に張り付いた朱泥ノタが固くなるのを待ちます。

4.石膏型を分割すると・・・



 
5.内側に張り付いていた朱泥ノタが急須胴体の形になった生地が出来上がります。



 
6.この状態ではまだ柔らかいので、さらにゆっくりと乾燥させます。

急須の手と口部分も胴体と同じように排泥鋳込みによって成形します。

蓋については圧力鋳込みという方法でで成形しますが、またの機会に紹介したいと思います。


急須剥ぎ出し技法【製造工程】

 
急須を還元焼成した後の剥ぎ出し技法について紹介します。

還元焼成で黒燻しされた急須の表面をグラインダーで剥ぎ出して内部の朱泥色を出す作業をしています。



     剥ぎ出し前                剥ぎ出し後




    完了!!



 
茶漉し網帯茶漉し)を取り付けたら急須の完成です。


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