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粘土、長石などの材料を水と一緒に粉砕する装置です。
写真は水本陶苑最大のボールミルで、直径と長さがそれぞれ1.9メートルあります。

鉄の筐体の中には石の壁が張ってあり、材料を砕くために、こぶし大の玉石が約900キログラム入れてあります。

そこに先ほどの材料を約2トンと水を約600リットル入れて、約一晩回すと鋳込み製法用の泥漿粘土(朱色をしているので朱泥)が出来ます。
これを常滑では「朱泥ノタ」と呼びます。


 
  
正面から撮影しました。 (ずいぶんと汚れていますが)

1回で1500リットルのノタが出来るのですが、宇幸窯では使い切れないので、同業の窯元に使ってもらっています。

この他にも100キロから500キロのボールミルが8基あり、用途別に使い分けています。


常滑焼急須や湯呑みの鋳込み成形に必要な液状粘土の製造作業を紹介します。

これはボールミルと言って、焼物の原料の粘土や長石と水を微粉砕しながら調合する機械です。



 
ボールミル内側には石の板が全面に張ってあり、こぶし大の玉石が入れてあります。



 
下のように計量済みの粘土や長石等を… 大きなじょうごを使ってミル内に投入します。



 
水を加えて約15時間ほど回転させてから、約300キロの鋳込み用粘土ができました。   
篩を通して異物を取り除きます。



 
今回製造した鋳込み用粘土には弁柄を混ぜていないので、朱泥色をしていません
この鋳込み用粘土で成形した急須などを焼成すると、うっすらと黄みを帯びた白色になります。


 常滑焼急須窯元の方より、急須鋳込み成型用の原料(泥漿)の注文をいただきました。今回製造する泥漿は常滑焼で有名な朱泥ではなくて緑泥になります。
 
 ※泥漿:粘土、長石等と水を混合状態にしたもの。



 上の画像は緑泥の調合に使う原料です。

 1.木節粘土 2.長石a 3.赤土 4.長石b 5.緑系陶磁器顔料
 6.青系陶磁器顔料

 ※陶磁器顔料:金属酸化物を高温で焼成し、安定した結晶構造を生成させた顔料。


 
 
 先ほどの原料と水をボールミルに投入し、数時間回転させて微粉砕しながら泥漿に調合します。



 
 ボールミルの栓をコックに付け替え、篩で漉しながら泥漿を排出します。



 
 50リットルの容器4本分の緑泥漿が出来上がりました。
これだけあれば急須が600〜900個は出来るでしょう!



 製造した緑泥漿を注文先の急須窯元に納入すると、前回納入した緑泥漿で製造した急須を見せていただきました。



 画像では分かりづらいですが、内容量180cc程の小ぶりで可愛らしい急須です。こちらの窯元では急須を一つ一つとても丁寧に作っていますよ。

 興味のある方は検索エンジンで “柏陽 急須 緑” と画像検索してみてください。


 まず最初に朱泥急須の表面に掛けて焼成する“灰釉薬”を製造します。



 上の画像は灰釉薬の調合に使う原料です。

 1.天然木灰 2.黄土 3.長石 4.粘土 5.鬼板

 ※天然木灰:天然木を焼いた灰で長珪石を熔かす釉薬原料
 ※黄土:黄色みの強い土
 ※長石:低い温度で焼き締めることのできる融剤
 ※鬼板:鉄化合物をふくむ褐鉄鉱の一種


 上記原料と所定量の水をボールミルに投入し、数時間回転させて微粉砕しながら液状の釉薬にします。



 ボールミルの栓をコックに付け替え、篩で漉しながら液状の灰釉薬を排出し、約40リットルの灰釉薬が出来上がりました。



 先ほどの灰釉薬を朱泥急須の生地表面にスプレーガンで吹き付け、電気窯で焼成します。

 焼成前の急須は表面に掛けた灰釉薬でざらざらとしていて、強くこすると剥がれてしまいます。

 焼成前後の急須の変化の様子をご覧ください。




 焼成で急須生地が焼き締まり、それとともに灰釉薬に含まれる原料が反応して溶けてガラス化し、急須生地に密着します。

 灰釉薬の掛かっている部分は味わい深い艶が出ていますが、急須の表面にのみ釉薬を掛けていますので、急須の内側は朱泥の土味が残っています。

 この様にして製造した急須を宇幸窯では“灰釉急須”と呼んでいます。
 


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