急須生地が十分に乾燥したら、焼成に入ります。焼成窯といえば、もくもくと煙の立ち上る煙突を想像される方も多いかと思いますが、現在では電気の力で焼く窯(電気焼成炉)を使って焼き上げる窯元もたくさんあります。宇幸窯でも、この電気焼成炉を使っています。
電気焼成炉による焼成
乾燥工程を終えた急須生地を電気焼成炉に積み上げていきます。棚板は耐熱性のカーボランダムで出来ています。
上段には灰釉掛けを施した急須が、そして下段には乾燥工程で紹介した急須が積まれています。
写真の電気炉は「ハット式電気炉」と言って、製品の出し入れ時には上半分が持ち上がるようになっています。
製品を詰め終えたら上蓋を下ろして、約1,130度で15時間ほど焼成します。
焼成が終わって窯内部が200度程度に冷めたところで上蓋を上げます。
急須は焼成前に比べて大きさが8割から9割ほどに収縮しています。
還元燻し焼成を行うものは、このあとの蓋すり工程を経て再度焼成していきます。
店長の
こぼれ話

焼きあがった後、上蓋をあげるころでも内部の温度は200度程度。窯から急須を取り出す時もまだまだ熱いので、火傷に気をつけながら棚へ移していきます。