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還元燻し焼成【製造工程】

蓋摺りを終えた急須を還元焼成用の窯に詰めて再焼成します。

急須表面の鉄分を還元反応させるのが目的なので、焼成温度は約750度と本焼成(1,130〜1,150度)に比べればはるかに低い温度で焼成します。



約7時間ほど焼成して程よく冷めたところで窯の蓋を開けますと、
朱泥急須が黒泥急須に変化しています。



この焼成での反応を化学的に解説しますと、
朱泥土に含まれている酸化第二鉄(弁柄)が

3Fe2O3 + CO  ⇒  2Fe3O4 + CO2
酸化第二鉄(朱色)     一酸化炭素      四酸化三鉄(黒色)      二酸化炭素

と上記の化学式で還元焼成中に化学変化しているのです。

還元焼成前                     還元焼成後


還元焼成前と還元焼成後

(左)還元焼成前 (右)還元焼成後


ちなみに、この反応は急須の表面だけで起きているので、内部は朱色のままです。


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